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そのまま何をするでもなくボーッとテレビを見て、いいテレビが無くなると電源を切った。
シーンとした部屋の中、話し掛けようかと悩んでいたら、雛が口を開いた。
「…横…」
「ん、どないしたん?」
不安気な雛の声に、優しく諭すように話し掛けると、雛は少しだけ離れて視線を逸らしながら言った。
「…昨日な…怖い夢見てん…」
…夢…?
あぁ…それでくっ付いとったんか。
案外怖いの苦手やもんな。
「…横、が…」
…ん、俺?
「…すぐ近くに居たのに、だんだん…小さくなっていって…、追い掛けても追い掛けても届かなくて…最後に、“さよなら”って…」
少し離れた雛の肩が小さく震えていた。
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