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「…阿呆やな…」
「なっ!…ッ」
「俺が雛を置いてどっか行くわけないやろ?逆なら別やけど。」
ふわっと雛を包み込むと、安心させるように頭をポンポンと叩いた。
雛は遠慮がちにゆっくりと手を回すと、ずずっと鼻を啜った。
「…俺、やって…横、置いてどこも行かへん…ッ」
あー、なんでこんなに可愛いやろう。
普段ゴリラみたいな顔して、皆をどつきまわっとるのに…
近くにあったティッシュを取って、雛の鼻に当ててやると、可愛くチーンと音を立てた。
「…不安やったらさ、いつでも抱き締めたるから。」
「…ん……ふはっ横、ちょっとクサイで。」
「…わぁあ!やっぱクサかったかぁ?!恥ずいわ、俺ー///」
「…ん、でもありがとう。」
チュッ…
「…は、…//」
雛は稀に見るような綺麗な笑顔で俺を見つめて…
突然降り注いだキスに、俺はまるで初めてキスした少年のように顔を赤く染めた。
「…雛、もっかいしてや//」
雛はクサイ台詞やって笑ったけど、
ホンマにそう思ってるから。
雛が不安にならないように、いつでも傍に居ったるよ。
end
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