新学期×選別

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  それはすぐ見つけることができた。放つ前にあった闇槍があった場所とさっきまでナビーがいた場所つないでその延長線上……そこには窓があった。 「………はぁ、やっちまった」 窓には歪な丸い穴が開いている。………そこから吹き入る風は、熱くなった俺の頭と、汗でビッショリになった服で身体を冷やすには十分な送風だった。 ――――― ―――― ――― 俺はちゃんと反省してナビーから魔法の消し方を教わった後、パートから帰ってきた母さんに申告し、軽く叱られたが明日にでも直してもらえるらしいので良かった。 ナビーの話によると、一度出現させた魔法は自分の意志で消すことが可能らしい。そういうことは早めに言って欲しいもんだぜ……… ひとまず、ビニールで塞いで空気の出入りが無いことを確認した俺は、ベットに横になる。 春とはいえ、まだ夜は冷えるからな。もちろん直す金は俺持ちだけど……お小遣いが減るのは辛いなぁ…… 今日は激動ともいえる一日だった。俺の世界観は百八十度反転し、今やファンタジーの世界に半分足を突っ込んでしまっている。 でもやっぱり、こんな有り得ない事態を望んでいた自分がいたことは確実だ。今も魔法を使いたくてウズウズしてるよ。でも、最初ほど恐いものは無いからな。魔法について慎重に調査しなくちゃな………こんなことならルクシオの話をもっと真剣に聞いとけば良かった。
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