病院×弟

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  ベンチに腰掛けた奈々ちゃんは、今日の出来事を思い出すように言葉を紡いでいく。 「――えっと、今日は智樹君のとこ行くために12時に家を出たんです。私は、バス停までさっき通ってきた道を通って行こうとしてたんです」 うん。ここまでは至って普通。普段通り、日常そのもの。 「その時でしたね……ここの前を歩いていた時、この公園に何かが落ちるのが見えたんです。幸い、お昼時なんで誰もいませんでしたが………」 はい、ストップ!トラブル発生。誰だ?弟の彼女を困らせるようなことをしたヤツ――― 「――ん?落下物?」 何かもの凄い親近感が沸くんだけど。確か最近俺も落下物のせいでトラブルに巻き込まれてんだよな。 あの浮いてて丸いヤツ、通称「ナビー」のせいで! 「何かと思って近づいたらそれは緑色をした玉だったんです。しかも、浮いてたんです!」 「………」 思わず言葉にならなかった。 ……あれ?玉+浮いてる=ナビー? その方程式が俺の頭の中で解答だと叫んでいる。それは無いだろう……という俺の意見を反対してくる。
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