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俺の食い付きの良さに一瞬、ポカンとした表情になった奈々ちゃんだけど、親身になって聞いてくれてると勘違いしたのか、素早く行動し始めた。
俺はただ自分の時の状況との違いを検証してるだけなんだけど。
「あっ、はい。これです」
奈々ちゃんが差し出したのは1枚の紙だった。
そこには、俺がルクシオから説明されたのとほぼ同様に書かれていた。
………アイツ、1人1人説明するのが面倒になったな。
でも、文面化した方が分かりやすいし、伝わりやすい。意味の捉え間違いもしないだろうし、何より説明する手間が省ける。最初から文面用意しとけば良いのに……
「……私、どうしたら良いんですか!?もし、私が負けたら智樹君が!………」
読んでるようで読んでいない。半分ボーっとしていると、目に涙を溜めた奈々ちゃんが俺の裾を掴んできた。
ん~、奈々ちゃん少し錯乱ぎみだな……って、あれ?
「何で奈々ちゃんが負けるのと智樹が関係あるの?」
俺はルクシオとの会話を思い出しながら奈々ちゃんに問いかける。
負けた時の代償は自分の命のはず。智樹は全く関係ないはずなんだが……
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