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俺も喋らない、奈々ちゃんも喋らないで、しばらく無言状態が続いく。
俺は、自分なりの解答を自分なりに纏めると、俺は閉じていた口を開いた。
「………奈々ちゃんは智樹を失いたいのか?」
俺は浅くベンチに腰掛け、腕と背中を背もたれに預け、リラックスできる態勢になって夜空を見上げた。
「おっ……」
そこには今まで気づいていなかったけど、綺麗な星空が広がっていた。
「っ!」
その質問が癇に障ったのか、奈々ちゃんは逆上してベンチから立ち上がった。でも、その瞳からは涙が零れている。
「失いたい訳ないじゃないですか!!智樹君は私が一番大好きな人で!……大切な人で………」
両手で涙を拭いながら、でも、大切なことを口にしていく。
「なら頑張るしかないだろ?要するに奈々ちゃんが負けなければ智樹は死なないんだろ?やる前から諦めてちゃ何も始まらないぞ?」
俺は、そんな奈々ちゃんに、俺の見つけた答えを仄めかす。
俺がそれを言った後、奈々ちゃんは言葉の意味を考え始めたのか、俯き喋らなくなった。
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