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俺の辿り着いた答えに辿り着くかな?辿り着いてくれたら嬉しいな……せめて気持ちだけでも落ち着かせてもらいたい。
しかし――――夜はやっぱし冷えるなぁ。
今の俺は、夢中に考え込んでる奈々ちゃんと違って、特別何もしていないので、意識が散漫して、必然的に寒さに辿り着く。
俺はその体勢をキープしつつ、たまにくる寒気を我慢しながら奈々ちゃんの答えを待った。
それはもう、気長にね?
――――
―――
――
それから数分、いや体感的には数十分経った頃、奈々ちゃんが口を開いた。
「………そうですよね」
呟くような一言。でも、それは確実に俺の耳に届いた。
ようやく気持ちに整理ついたか……良かった、そろそろ寒くて凍え始める頃だったんだよね。
そして奈々ちゃんは、心の闇を晴らすように勢いのある声で話しだす。
「――ありがとうございます!お兄さん。思ってること全部吐き出したら何かすっきりしました。私が負けずに優勝すれば智樹君の病気も治せますもんね!」
どうやらスタート地点には立てたようだ。
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