開戦×下見

2/11
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/85ページ
  その次の日の日曜、俺は町はずれにある小さな山で、人目を忍んで魔法の練習を始めた。 魔法を習得するには、やはり実践が必要不可欠。部屋の中でやるのに限界がある。 でも、場所がない。 なら、作っちゃえ! といった経緯で、俺はこの場所を魔法を使って創作しトレーニングに励んでいる。 「……《闇槍》」 前文無しの、呪文の本質部分のみでの魔法発動。 魔法陣を解読することによって、その魔法の本質を自分なりに理解した。 理解と実践。俺はルクシオが提唱した方法を両立しつつ実践し、実験している。 そうしたら、一つ。面白い考えが浮かんだ。 俺の考えが正しければ、魔法は呪文部分のみで発動が可能。呪文は魔法の成り立ちを示し、前文は発動の補助。魔法陣は理解の補助。魔法はそのように成り立っている。 最初はネタのつもりだったけど、理解が進むにつれて、詠唱の無駄さと省略の有効性が分かって来たので、今は前文無しでの魔法発動の実験をしている。 実際にその結果、呪文は多少魔力は使うが前文を省略して発動できるようになっている。
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!