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ともあれ、タイミングが選べないのも事実。俺は仕方なく漫画を置いた。
漫画を置くと同時に気持ちを切り替える。
ナビーが動くってことは、何か進展があるってことだ。もしかしたら閉鎖世界へ入れるようになるかもしれない。
俺は体制を整えて、内心ワクワクしながらナビーの次の行動に期待していた。
待つこと数分。さすがに痺れが切れそうになっていると、ナビーはお馴染みの通信の光を放ち始めた。
光を放ち始めた当初、『ザーザーザザーー』というテレビの特有のノイズと砂嵐のような映像が見えていて、何故か緊張感が湧いてきた。
見ていると、光は徐々に安定して、いつしか砂嵐の映像から一転、ルクシオの姿がはっきりと映し出されていた。
『……やぁ、参加者諸君。私はこのゲームの主催者であるアルテミス様の側近のルクシオだ。さて、魔法の方には馴染んでもらえただろう?』
人を見下したような言い草で気に食わないが、今思えば俺も最初はこんな感じに話されてたしな……仕方ないのだろう。
『これから開会式を行うわけであるが、あまり速く負けないでくれよ?アルテミス様がご立腹になってしまう。前置きはこれくらいにしといて、そろそろこのMFBの開会式を開催したいと思う。』
そこで一呼吸を置いたルクシオは、一度深く深呼吸をして、次の言葉を喋る準備をする。そして、何か覚悟を決めたかの表情で、溜めに溜めた次の言葉を口にする。
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