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腕の中にいる子猫を見つめる。
「ミィ…」と、どこか嬉しそうに鳴いた。
「君の猫?」
しっかりリボンを結んで少女に差し出す。
小さく微笑みながら優しく受け取ると、首を横に振った。
「…昨日…仲良く…なった…の…」
途切れ途切れに言葉を紡ぐ。
掠れてはいるけれど、まさに声優の様なアニメ声だった。
もしもメイド喫茶だったら「萌えぇ!」って絶叫してるけど、そんな事をすればドン引きされるのが落ち。
今は紳士的に接しないと…
「えと…君は奴隷なの?」
優しく聞く。
相手は震えながら小さく頷いた。
「今日…売られる…から…多分…」
「多分?」
首を傾げると、どこか悲しそうな顔で俯いた。
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