two order

10/40
前へ
/167ページ
次へ
腕の中にいる子猫を見つめる。 「ミィ…」と、どこか嬉しそうに鳴いた。 「君の猫?」 しっかりリボンを結んで少女に差し出す。 小さく微笑みながら優しく受け取ると、首を横に振った。 「…昨日…仲良く…なった…の…」 途切れ途切れに言葉を紡ぐ。 掠れてはいるけれど、まさに声優の様なアニメ声だった。 もしもメイド喫茶だったら「萌えぇ!」って絶叫してるけど、そんな事をすればドン引きされるのが落ち。 今は紳士的に接しないと… 「えと…君は奴隷なの?」 優しく聞く。 相手は震えながら小さく頷いた。 「今日…売られる…から…多分…」 「多分?」 首を傾げると、どこか悲しそうな顔で俯いた。
/167ページ

最初のコメントを投稿しよう!

768人が本棚に入れています
本棚に追加