768人が本棚に入れています
本棚に追加
翼は「良かったですね」と優しく頭を撫でてくれた。
本当に兄貴がいるみたいで、少し照れ臭くなる。
「宜しければ教えて頂けますか?」
「ああ。えーと…あれ?」
奴隷達を見渡すが、彼女の姿がない。
まさか…
「鈴、聞こえるか!?」
『…どうかなさいましたか?』
「もうオークションは始まったのか!?」
『いえ、まだですよ』
少しほっとした。
でも、最初に売られるのは確実だ。
近くにいた奴隷の少女に尋ねる。
「セレナって女の子知らないか?」
「…あなた誰?」
「君達を助けに来た者だ」
その一言に、奴隷達が一斉に視線を俺に向ける。
「…本当に?」
「ああ、本当だ」
微笑みながら頷くと、彼らの瞳に光が戻った。
「さぁ、ミッション開始だ!」
最初のコメントを投稿しよう!