768人が本棚に入れています
本棚に追加
それを見て、少女は小さく微笑んだ。
「まあ、叶わない恋かも知れないけどさ、しないよりはずっと良いよ♪」
そう言い、肩を軽く叩いて出て行った。
叶わない…当たり前だ。
私は奴隷。
あの人は服装からして、それなりに良い暮らしをしている人だろうから。
分かっているのに心が痛む。
会いたい…
もう一度強く抱き締めて欲しい…
自分の甘い欲。
鬱陶しいのに捨てられない。
捨てないと…
どうせ私は他の人のモノになるのだから。
苦しくなる胸を押さえながら、ステージに向かう。
今日は買われるのかな?
そんなことを考えながら、幕開けを待っていた時だった。
ガキュンッ
会場から銃声が聞こえた。
最初のコメントを投稿しよう!