two order

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優しく微笑みながら、ぎゅっと抱き締めて囁く。 「これから宜しくな…セレナちゃん」 すると、強く胸元を握られた。 慌てて離すと、目を游がせて見上げてきた。 「…セレナ…止めて…欲しぃ…です」 「えっ?」 「…オーナー…に…つけられた…名前…だから…」 少し顔を曇らせながら、小さく呟く。 セレナは本名じゃなかったのか… 抱き締めたまま暫く考える。 そして、頭に閃いた名前を言った。 「『由羽』なんてどうかな?」 「…ゆ…う?」 「うん♪自由の由に羽で『由羽』。即席で悪いけどさ」 相手は小さく頷いた。 そんなあっさり決めて良いのか分からないけど、俺も雰囲気が気に入ったから良しとした。 「じゃあ、改めて宜しく、由羽」 「…はい」
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