768人が本棚に入れています
本棚に追加
/167ページ
ぼんやりとする意識の中、慌てて首を振る。
「…あ、謝らないで…下さい…」
「でも…初めてだっただろ?」
「…そう…ですが…」
俯きながら答えると、少し困ったような、悲しそうな顔をして抱き締められた。
胸が苦しい…
はっきり「嬉しかった」と言えば良いのに、弱気な自分は躊躇してしまう。
言わなくちゃ…この人を傷つけたままになる。
それは、とても辛いことだと自分自身が良く分かっていた。
思い切ってぎゅうっと抱き締める。
男の人だから後ろまで手がいかない。
でも精一杯伸ばしているつもりだ。
小さい私には、これしか出来ない。
キスは…背が届かないから…
最初のコメントを投稿しよう!