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だから、翼とデートの約束でもしていたんだろう。
しかし、それは昨晩の来客によって中止となった。
その客は…
「何言い争ってるの?」
腰まである長い黒髪のポニーテールを背もたれに流して、足を組んで座っている少女。
何を隠そう俺の妹の華恋だ。
「別に言い争ってないよ。ちょっと相談してるだけ」
「あっそ…」
素っ気なく返されて思わず顔が引きつってしまう。
本当に何でいきなり…しかも俺のいる支社に来たのだろうか。
少し戸惑いながらも、慎重に聞いてみることにした。
「え、えと…華恋?」
「…何?」
「ひ、久しぶり。元気だった?」
「うん。特に何もなかった」
「そ、そっか…」
やっぱり聞き難いなぁ…
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