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…って、そんな和んでる場合じゃないんだけどさ…
事情を聞くのを諦めて、家に着くまで大人しくする事にした。
* * *
「あなた、兄さんの何なの?」
何と聞きたいのはこっちだ。
昨日の行為からして、少しは気に入って貰えているんだと思うけど…
それがきっかけとなって、夜の事を思い出す。
すべてが初めてで恥ずかしかった。
そっと唇を指で触り呟く。
「…分かりません…」
多分赤くなっている顔を俯いて隠し、かすれる様な声で答えた。
相手は、どこか気に入らないと言いたげな表情。
気まずくなり、布巾を握り締めて、備え付けの小さなキッチンに逃げ込んだ。
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