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* * *
これは現実だろうか?
まだ夢の世界にオンライン中なのか?
頬を思い切りつねってみる。
滅茶苦茶痛い…
こ・れ・は…
エロゲーじゃないんですね!?
ヤバ過ぎるんですけど!!
今、俺を敬語キャラにまで変えてしまう状況になっている。
そう…由羽が俺に凭れて寝ているのだ。
良い匂いのする髪と、温かく柔らかな体の感触が、理性と言う名のバリアを砕いていく。
落ち着こうと周りを見ると、その攻撃は一気に鎮まった。
いつの間にか、車に移動させられたらしい。
「おはようございます、陸斗様。もうすぐ本社に着きますよ」
翼の柔らかな笑顔も、この時点では物凄く虚しいものだ。
静かに走る車の中で、消え入りそうな声で呟く。
「…もう少し寝たかった」
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