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「依頼料はもうもらったの?
さっきのは村が数個、その村々の代表が来て合計で結構な額だったけど、
今回はこんな子ども1人、大丈夫なの?」
「何言ってるの。
この子は特別、今回はタダよ。
ボランティア精神って大切だわ。」
「え!?」
ママ以外の全員が異口同音、口から声では無く音を発した。
確かに俺は今手持ちが少ない、と言うより宿泊費と食費程度しか持っていないが、
後払いで『渡り鳥』から支払われるものだと思っていた。
最強2人も唖然としている。
そんな俺達を無視してママは話し続ける。
「今回はタダ、決定だからね。
代わりに今車に積んでる宝石、全部自由にして良いわ。
どうせ山賊やら盗賊やら分からないけど、アジトにあったの全部持って来たんでしょ?
そういう契約だったし。」
と言いながらママは車の後部のトランクを開けると、
「あら、今回は少ないわね。けどま、何とかなるでしょ。」
とか言っていた。
俺はトランクから発せられる眩い光に吸い寄せられ、ママの後ろから覗きこむとそこには、
一生遊んで暮らせると言っても過言ではない。
七代先まで幸せが約束されると言っても信じられる。
それほどの量の宝石、貴金属、さらには良く分からない壺等が、無造作に放り込まれていた。
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