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捕まって4時間、とっぷりと日が暮れて外は真っ暗になっていた。
ブロックが田舎の街と言っても街灯くらいは付いてるし、とりあえず酒場があるくらいだから夜の街として成立している。
外はある程度の喧騒があって、良い感じににぎわっているのだが、酒場ハンターは若干そこには不似合いの団欒的な空気が漂っていた。
ママが用意したディナーが異常なほどに豪華で見栄えが良く、味も格別で一見場末の酒場に置いては全くの不似合いな物だった。
マードとチルロットはずっと俺と一緒にテレビを見ていたため、全てママ1人で作ったのだろうが、
このおっさんは本気で何者なのか、タダ者じゃないとかじゃなくて、フォルムもスペックも逸脱している。
と言った方がしっくりくる。
ひょっとしたら自分とは違う何かなのかも知れないと本気で思う。宇宙人とか…
「さて、じゃあマードちゃん、チルロットちゃん、
お仕事お疲れさまでした。
今日もママ腕によりを掛けて作っちゃったから、沢山食べてねん。」
「はいママ、いただきます。」
「うぐ、はぐはぐ。」
ちゃんと食前の挨拶をするマード、ママの発言の終わりがけから食べ初めたチルロット。
軽くコメカミに青い筋が浮くママ。
「…チルロット、今日の食器洗いよろしくね。」
ママが口を開きかけた時、マードが先駆けてチルロットにこんなことを言った。
チルロットが「えー」とか文句を言ってるが、お前助けてもらったんだぞ?
そんなチルロットを無視してマードはすぐにこっちに話を振って来た。
「で、あなたはここに何しに来たの?
で、私たちにどんな依頼があるのかしら?」
どうやらこの3人が揃った時の会話の主導権はマードが握っているらしかった。
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