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そこにいたのは…
片手に傘を持ってずぶ濡れになった由香だった
「由香?!お前何やって…」
「傘…渡し忘れてたから」
ずぶ濡れになった自分など気にせず傘を差し出す由香
「何言ってんだよ!お前、俺以上にずぶ濡れじゃんか!!」
何か拭く物はないかと鞄を漁る。
あったのは汗を拭いたタオルだったがこの際仕方ない。
タオルを由香の頭に被せ風呂上がりの子供にする様に頭を拭く
「ありがと…」
小さい声で呟く
それこそ、雨音で消え入りそうな声で
「珍しいな、由香がお礼なんて」
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