雨はもう、上がっていた。

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「何か変?私だってお礼くらいちゃんとするし」 不服だったのか。 頭を拭く手を払い除け一歩後ずさる その顔は少し赤らんでいた。 「ありがとな、由香」 素直に礼を述べてみた。 感謝半分と稀にみる由香の反応が楽しみ半分で。 「傘は届けられても。私の気持ちは届かないみたいだねぇ」 返ってきた台詞は、いつものキザな由香のものだった。 「キザだねぇ、相変わらず」 いつものやり取りに戻った 由香が話しを吹っ掛けてきて、薫が笑って返すいつものやり取りに… 戻ったと…思った
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