雨はもう、上がっていた。

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瞬間。 由香は薫の頭をひっつかみ自分の顔に近づけ… 「…ッ!」 唇と唇が触れあった 時間にして数秒 先に離れたのは由香の方からだった 名残惜しむ訳でもなく快楽に浸る訳でもなく ただ 何事もなかったかの様に 「また明日」 と言って由香はその場を後にして走っていった 残された者はただ呆然と立ち尽くしていた ただ呆然と 由香が走っていった方を見ながら。 雨はもう、あがっていた。
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