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黎学の寮は大きく分けて六つの建物に分かれている。
俺がいる寮は青涼寮と言う青い建物が目印の寮。
そんな寮を取り仕切る寮生会っつーのがあって、それは半年に一回選挙を行って決められる。
今年もそんな時期が来た訳で。
青涼寮全45名の中から6名を選抜すると言う選挙が行われた。
「空は今回も選ばれるだろ」
「何でだよ」
同じ青涼寮である吉田は物凄く楽しそうに笑った。
「今までも選ばれてたじゃん?三回とも。全部辞退してたけど」
「だってまだ入学したての時なんかは選ばれても何していいかわからんもん」
「じゃ、もう選ばれたらやるってことだよな?」
本当コイツは俺の穴を良く見ている。
「まぁ…選ばれたらね」
これは選ばれる訳ねぇって言う俺の自信の表れ。
だって倍率的に考えても約7.5倍だ。
俺が選ばれる訳────…
って思っていたにも関わらず選挙結果発表当日。
「…………うそ」
「ホラ、言っただろ?」
┏━━━━━━━━┓
┃ ☆当選者☆ ┃
┃○寮長 ┃
┃ 3-A 奥山 龍生 ┃
┃○副寮長 ┃
┃ 3-A 七瀬 郁 ┃
┃○書記 ┃
┃ 3-A 長谷部 瑠衣┃
┃ 2-C 澤崎 涼 ┃
┃○会計 ┃
┃ 3-B 宮野 李里 ┃
┃ 2-A 八重沢 空 ┃
┗━━━━━━━━┛
張り出された紙にはバッチリ俺の名前が載っていた。
「しかも会計って一番めんどい」
「二年だからな。どんだけ票集めても書記か会計になんのは決まってっからしょうがねぇって」
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