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基本的に私は寝付きが悪いけど今日は一段と寝付きが悪い。
「あー…もう。ちょっと散歩して来ようかしら」
少し頭でも冷やそうと近くのコンビニまで散歩がてら飲み物を買いに出た。
けれどものの数分後にこの選択は間違いだったかもしれないと思い知らされる。
「おねーさん!」
「!」
私に掛けられたのであろう声にゆっくり顔をそっちへ向けると柄の悪い男が5人嫌らしい笑みを浮かべて立っていた。
「あ、ラッキー。かわいー」
本能がヤバいと言っている。
逃げなきゃと思って走り出そうとするけれどいとも簡単に腕を捕まえられてしまった。
「いや…!」
「そんな嫌がらなくてもいいじゃーん。俺らと遊ぼーよ」
ヤダヤダ。
助けて!
そう思った時一番最初に浮かぶはアイツの顔────…
ねぇ、助けてよ…!
そう思った刹那。
ドガッ
私の腕を掴む隣の男が倒れ込んだ。
その背後に居たのは────
「…………空君」
物凄い不機嫌面した彼の姿。
「……何してんの?」
「お前…!この間の…!」
そんな男の話も聞いてか聞かずか私を一瞥すると小さく息を吐いた。
「おい、みぃ。先輩連れてちょっと隠れてろ。マッポ来るかもしんないし」「ラジャ!先輩、行きましょ!」
私の手を掴んで路地へと連れて行ってくれたのはこれもまた可愛らしい女の子。
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