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「本当…つまんねぇ話しちゃったね」
「そんなこと───…」
「つかさ…何で解った?」
「!」
小さく反応を示したのが見受けられた。
そこで納得。
あぁ、やっぱりなって。
「先輩も体験してるっしょ?似たような事」
「……どうして解るのかしら。そうね、だから私も思い付いただけよ。それだけ…」
そう言って笑う彼女は泣いているように見えた。
だから直視出来なくて視線を逸らしてしまったんだ。
「………ごめん、無神経ッスね」
「違うの。ただ……私は甘ったれてたんだなって思っただけ」
彼女の言葉に俺は緩く首を捻る。
甘ったれ───その言葉の意味が理解出来なかった。
「どういうこと?」
「私は、私が誰よりも苦しいんだって思ってた。あの時も…今もずっと。でも空君は違う。自分より誰より周りの苦しみを一番に考えてる───私なんかよりずっと苦しかったと思うわ」
「んなこと────…」
「小学六年の夏、共働きだった両親の代わりに私を育ててくれていたおばあちゃんが亡くなったの」
俺の抗議の声を制するように彼女は首を左右に振ってからゆっくりと口を開いた。
「私…その時はまだ弟も生まれてなくて一人っ子だったからおばあちゃんしか居ないと思ってた。本当塞ぎ込んだわ、あの時は────ぶっちゃけるとそこから中学三年生くらいまで引きこもりだったの、私」
自嘲するかのように笑って言う彼女に俺は前を見据え、次の目的地を目指すべく手を引いて歩き出す。
「空君……?」
「先輩と俺は違うよ。俺は最初から居なかったから……どんな気持ちなのか俺には想像つかないッス。大事な人が急に居なくなるって───」
どんな気持ちなんだろう。
今まで当たり前のように一緒に居た人がこの世から消えてしまう────…。
「その人の事が大切な分だけ苦しいもんじゃないの?先輩」
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