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我がバスケ部は割と仲が良い。
…………表面上は。
同学年の奴同士は普通に仲良しな訳だけれど、学年が違う奴とは何故だか距離を置くっつー仕組みに勝手になってて。
そんな中全く周りを気にせずKYと呼べる行動を取ってるのが俺。
別に何も気にせず学年問わず喋りたい奴と喋り出す俺は異様な存在らしく、三年からは嫌な視線を向けられていた。
三年の奴らは正直嫌いだ。
自分中心に物を考え過ぎだし、周りの奴の事を全く見ようともしない。
そして更に最悪なのが顧問も顧問だってこと。
本当
溜め息が出る。
うちの学校は大学までエスカレーターだから毎年三年は引退後もずっと部活に参加し続ける。
来なくていいのに……なんて口に出そうな自分が恐ろしい。
「先生、山本の奴は何回教えても全然上達しないんスよ。もう辞めさせるべきだと思います」
「そうか───これだから普通科の奴はどうしよいもないな」
そりゃ悪かったね、なんてヤジを飛ばしたくなる。
俺だって普通科だし。
ちなみに山本っつーのは一年。
ひょろっこくて小さい奴。
だからやたら目立ってしまって部長やら顧問やらに目をつけられる。
でも俺は知っているんだ。
コイツのすげー所も良い所も。
「おい、山本。ちょっと顔貸せ」
体育館に部長の声が響き渡る。
山本はビクビクしながら体育館を出て部長の後をついて行った。
「空先輩、何なんスかね?ぶちょー」
「……………さぁ?俺トイレ行ってくる」
西川の問い掛けも適当に流して俺は体育館を後にした。
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