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「どうでしたー?バスケ観戦は」
「…………………。」
「おーい」
問い掛けに全く応じずポカンと呆けている彼女の前でひらひらと片手を振るとゆっくりその大きな双眸が此方へ向けられ俺を捉える。
「どしたん?」
「…………かった」
「え?」
「空君、かっこよかった─────…」
まさかの返答に驚きを隠せず今度は俺がポカンとした顔で彼女を見てしまった。
「………ばーか」
素っ気ない態度でそれだけ言って俺は踵を返して集合場所へと向かう。
何だろう……妙に心臓が早鐘を打つ。
ただ単に驚いただけ─────うん、そう。
驚いただけなんだ。
でも…
背後の彼女からの視線が気になってどうしようもない。
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