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夏大4日目─────
「八重沢、向こうのSG知り合いなのか?」
昨日のやり取りを見ていた監督が意外そうに…もとい若干嫌そうな顔をしながら問い掛けてきた。
「あぁ、まぁ…同じ小学校で同じミニバス所属だったんスよ」
「お前九州出身だったのか?」
今日の相手は九州地区代表の龍神高校。
「そッスよ」
九州出身と言うか転校族だった俺は割と各地にバスケを通した知り合いがいた。
多分この大会に出ている知り合いは安堂だけじゃないと思う。
「ミニバス時代の知り合いか…」
「八重の事相当意識してたよな。どんな奴だったんだ?」
「どんな…」
小学生の頃の安堂はチビで騒がしくていちいち俺に突っかかってくるうざい奴。
でも人一倍努力家で人一倍バスケにおいての勘は鋭い奴だった。
「……チビでうるさい奴」
「八重の敵じゃなかったってことだよな、それって」
「…………………。」
特に返事はしなかった。
はっきり言ってそういう訳でも無かったから。
気を抜けばレギュラー取られんじゃないか…何故だか奴にはそんな気にさせられてた。
「……不思議な奴だよね」
誰に言うでもなく俺の声は空を舞う。
今日アイツと対戦するのは楽しみでもあり少し恐怖でもあった。
俺の知っているままのアイツか否か…もうすぐ明らかになる─────。
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