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川沿いの道を抜けると、
そこには大きな時計台がある。
少し古ぼけた感はあるが、
この駅の象徴として立派に存在感を出している。
この時計台で待ち合わせをする人が多く、
いつ来てもこの場所は賑わっていて
街の活気を表しているみたいだ。
「もぉ!!遅い!!」
「ごめんごめん!でも1分くらいなんだから許してよー!」
「残念でした。4分も遅刻してますー。」
「細かすぎー!!それより早く行こうよ!!」
「自分が遅れてきたくせに。まあいっか。」
そういって仲良く手を繋ぎ歩いていくカップルを見て、
何か懐かしさを感じる。
いつも遅刻してくる君を、
ホントは怒りたかったけど、
君の笑顔を見ると
怒りも忘れてしまうんだ。
ズルいよね。
「ヒロ!」
俺の名前を呼ぶ懐かしい声に振り向く。
しかしそこには誰もいなかった。
今でも俺は、
あの日の約束を覚えているよ。
だからこうして、
この場所に君を迎えに来てしまう。
志帆、
元気にしてますか?
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