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俺の名前は金井宏幸(カナイ ヒロユキ)
ストーカーとかではなく普通の高校2年生だ。
部活を退部してから何のはりもなく生活していた俺に稲妻が走ったのはつい先週のこと。
母親に使い走りにされ、
駅のそばにあるケーキ屋へと姉貴のバースデーケーキを取りに行ったことで俺の人生が変わった。
お使いなど面倒くさくてたまらなかったので苛立ちは募る。
「あのぉ、ケーキを予約した金井ですけどぉ。」
「はい。金井様ですか?!少々お待ちください!」
目の前に現れた天使に俺の苛立ちは脳内の遥か片隅に追いやられていった。
ちょっぴり垂れ目で小さな口
スラッと伸びた手足に肩にかかるくらいのパーマがかかった髪
どこからともなくいい匂いがしたのは気のせいかもしれない。
「おまたせしました!金井様ですよね!?お誕生日おめでとうございます!」
「あっ、あっりがとうございますぅ。」
慌てる俺を見て彼女は笑った。
笑った顔はまるでイルカみたいにかわいくてまた心を奪われる。
そしてすぐさま失態をさらしたことへの恥ずかしさが込み上げ俺は思わず赤面した。
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