金だけの恋人

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「では改めて。」 意音はカウンターに置いた契約書を女性に見せた。 「契約する?半分は返ってくるけど。」 女性はまたも唾を呑み込んだ。 悠哉を憎みたい・・・ 女性は決心した。 「契約をします。」 女性の言葉に意音は右手から光を出して一本のナイフを出し、女性に契約書と共に渡した。 「これで指を切って、血を出し、契約書の段階以外の所を全て書いて。」 女性は右手にナイフを持ち、言われるがままに左手の人指し指を切り、流れだした血で、契約書に依頼者、受呪者などを書いていった。 もちろん段階のところは書かないで。 書き終わるとナイフと契約書を意音に渡した。 意音はナイフをしまうと、契約書を玲音と共に見て、確認をした。 確認を終わるとシルクハットを取り、女性に深々と礼をした。 「契約成立ありがとうございます♪それじゃあたし達の方で段階は決めておくから、あとはまぁ気軽にしてなよ。」 そう言うとシルクハットを被り、意音と玲音は女性を人間界に一瞬で送り届けた。 「キャッ」 女性は軽く悲鳴をあげたがすでにそこは自分の部屋だった。
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