金だけの恋人

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高い女の声が後ろから聞こえた。 悠哉はバッと振り向いた。 そこには猫ミミが付いた黒いシルクハットを被った背の小さい女がいた。 両手にはポットと椅子分あるカップを乗せたトレーを持っている。 (何だこの女?メイド見たいな服着て。まだガキかぁ?) 悠哉は女を探る様に見た。 一方女は、重そうなトレーを持ちながら悠哉に向かって怒鳴った。 「ここは玲音が一生懸命作ったとこなんだよ。草とか蹴らないでよ~。怒っちゃうんだから。」 悠哉は女が言った事を理解出来なかった。 『怒っちゃう』って言われても、女はすでに怒っているのだから。 と、悠哉が疑問符を投げた途端だ・・・ (グッなんだこれ・・・) 草がいきなり伸び、悠哉の首を締め始めたのだ。 (かっ・・・い・・・息が・・・) ギュウっと、草は悠哉が暴れる度首を締めるのを強くしている。 悠哉は呼吸が苦しくなり意識が朦朧(もうろう)としていた。 そんな時、微かに不思議な匂いがした。 そして匂いが段々と強くなると、悠哉の首を草は離した。 (ハァ・・・ハァ・・・つぅ・・・ハァ・・・) 悠哉はその場に酷い息切れをしながら倒れた。
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