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「はぁ…。はぁ…」
漆黒のロ―ブを羽織った少年が、森の中を走っている。
時折、地面にはみ出た根に躓いたりしながらも、必死に前に進む。
ここは、『スピリット・クラウン王国』という地球とは異なった世界、つまり“異世界”だ。
少年が走っているこの森は、『スピリット・クラウン王国』の中心部にある綺麗な森だ。
この森は、『スピリット・クラウン王国』の中でも強力な“チカラ”を秘めた国『神聖の国』に属していて、他の国の者からは、その美しさとは裏腹に『暗黒の森』とも呼ばれている。
いつもは、妖精や小鳥達が遊び回っているのだが、今は何もない。
いるのは、少年と『何者か』だけ。まさに『暗黒の森』だ。
たぶん、他の国の者だろう。少年の隙を突いては、攻撃を仕掛けてくる。
「くっ…!!」
避けきれなかった攻撃が腕を掠めた。
その瞬間、皮膚が焼ける音がする。
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