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「おいガキ…そこは俺らが座ってたとこやぞ」
「はようどけや」
男逹は少年に掴みかかってきたが少年はため息を溢した。
「若いのぅ…それよりお嬢さん団子はみたらしでお願いしますな」
男逹は無視されたことに苛立ちながら刀を振り上げた。
「キャッ!!」
「うわぁ!!」
誰もが震えながら目を閉じた。老人逹は拝んでさえいた。だが嫌な音は聞こえなく女の子は恐る恐る目を開いた。
男の振り上げた刃は少年の腰に刺さっていた紅色の刀で止められていた。刀を抜かず鞘で止められていた。
「ガキがぁ…!!」
「わしに刀を抜かせるな…若いの…死にたくはないだろ」
少年は切れ長の目で睨み付けると男を力押した。男はよろめきながら尻餅をつき驚いたように少年を見た。
体格の良い自分が小さな細腕の少年に力押された事に驚いたのだ。
「お前何倒れとんや。情けないのぅ」
「う、五月蝿い!!ガキがぁ!殺す!!」
男逹が刀を抜き払ったのを少年は確認し走り出した。団子屋から逃げ出した彼を男逹逹は唸り声を挙げながら追いかけていった。
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