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立派な一本桜は道場を守るように咲き誇り。桜の花びらが舞うたび少年逹の掛け声が飛び交った。
汗をかきながら彼らは竹刀を振り掛け声を揃える。単調な動きだがきつく集中力を削ぎ落としていく。
そんな動きを眺めているのは師範以外に少女がいた。少女は道場には入らず影から入口で少年を見つめて幸せそうに笑っていた。
品の良い着物と佇まいは育ちのよさをあらわしており、そして何より清純そうな可愛らしい顔立ちだった。
「では、止め!今日の稽古はここまでにする。解散」
「ありがとうございました!」
少年逹は手を止め師範に頭を下げた。
師範が道場から出ていくと少年逹は疲れたように座り込んだり、そそくさ帰る支度をする者など様々だ。
その中、藤屋の少年は汗を拭い隣にいる少年を見た。少年より少し幼い彼は藤屋の少年と同じ目付きをしていた。
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