妖刀

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「慧、今日店に行って手伝うんだが…来るか?」 「兄さんは本当に真面目だなぁ…俺はいい。それより桜(さくら)が来てる」 彼は道場を覗いていた少女を指差した。少女は嬉しそうに笑って手を振った。 藤屋の少年は優しく微笑みながら手を振り返すと彼の弟はため息を溢した。 「早く帰ろう。兄さんの幸せそうな顔は皆を苛立たせる…そのうち刺されるよ」 少年は悪戯っぽく笑って竹刀を抱えて少女の元に駆け寄った。藤屋の少年は慌てて竹刀を抱えて追いかけて少女の前に現れると優しく微笑みかけた。 「お疲れ様です千雪様、慧様。今日も素敵でした」 「様付けなんて痒いから止めろよ。桜の方が年上なんだし俺はついでじゃん」 藤屋の弟は呆れたように少女を見て大げさにため息をついた。少女は慌てて頬を赤く染めながらあたふたした。 藤屋の少年が目当てと当てられて困ってしまったのだろう。 藤屋の少年は少女の頭を撫でながら笑った。 「慧からかうな。私達は将来誓い合った仲なのだ。お前には早く慣れて欲しいな」
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