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「兄さんは本当に真面目だな。親同士が決めた婚約に逆らう所か逆に二人共好き合うなんて…」
「羨ましいか?」
藤屋の少年は弟をからかうように笑った。弟は熱い二人を見て疲れたようにため息を溢した。
「もう分かったよ。熱い二人には何も言いません。あー…早く帰ろー」
藤屋の弟は道場の門をくぐり桜並木を歩き出した。藤屋の少年達も小さく笑いながら彼の後ろに並んだ。
はらはらと桜の花びらを見つめながら仲良く三人で歩く姿は微笑ましく。
すれ違う者達は彼らを見て笑った。
「桜は舞いの稽古どうだったんだ?兄さんに見せれるほど上手くなったのか?」
「そ、それは…その…」
藤屋の少年の隣で少女は困ったようにうつ向いてしまった。藤屋の弟はニヤリと笑って少女を覗きこんだ。
「桜は昔からリズム感が無いからな。どうせコケたりしてるんだろ」
「こらっ慧。お前だって今日試合でコケたろ」
「兄さんソレを言うなよ。いつも桜の事ばかり庇うんだから」
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