妖刀

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「すまない。では行こうか…慧また後でな」 「はいはい。行ってらっしゃい兄さん、桜」 藤屋の少年は少女の手を取って左側の桜並木に歩いていった。藤屋の少年の弟は中の良い二人に呆れながら見送り右側の桜並木に足を踏み入れた。 ※※※※※※※※※ 暗闇の中ぽっかり浮かんだ月は丸く、暗い町を照らした。灯りが着いている建物は少なく静けさが漂っていた。 その中でも藤屋は外の灯りは消しても中は明るく人がたくさんいた。 今日の売り上げを数えている者、刀を手入れし片付けている者。掃除をする者など様々だ。 藤屋の少年は今日来たお客名簿を片付けながら少女達が片付けている刀が目に入った。 「新しい刀だな…父様が仕入れてきたヤツか?」 藤屋の少年は鞘が紅色の刀に触れようとした。 「触るな!!」
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