10人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
二宮「あーあ言っちゃった。高大のやつ熱くなるとビックリ発言ばっかだからな。」
呆れた顔をした二宮が呟く。
一ノ瀬「…全くだ。新一年はライズボウルと言われても何のことか分からないに決まっている。」
二宮「いやいや!突っ込むとこそこじゃなくね?!」
一ノ瀬「…ん?違うのか?」
この二人の会話も見事にかみ合っていない。
QBとWRとしては良いコンビだが、会話のホットラインは確立されていないようだ。
二宮「俺が言いたかったのはライズボウルに出場しますよってとこ。簡単に口に出して言えるようなもんじゃねーだろ?」
二宮の言う通りライズボウル出場は非常に困難なことである。
全国の学生達の頂点に立たなければ出場すら敵わない試合であるからだ。
ここで真剣な表情の一ノ瀬が二宮に言った。
一ノ瀬「…確かにな。ライズボウルは誰でも簡単に辿り着けるようなもんじゃない。…だが俺達はライズボウル出場、そして制覇を目標にやってきたんじゃないのか?」
二宮「まぁそりゃもちろんだけど…。」
一ノ瀬「…それに。俺はあいつのこーゆー部分は嫌いじゃない。…あの声の大きさは気に障るけどな。」
そう言った一ノ瀬は端整な顔立ちを緩まして僅かに微笑んだ。
最初のコメントを投稿しよう!