5人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
「はっはっ..はっくしょん!」
勢いよく出たくしゃみで少年は目が覚めた。
「ん?」
「ここは?」
目の前に広がるのはただただ白い空間が広がっている。とても現実味のない世界。
「...何も覚えていない。」
自分は何故ここにいるのか。はたまた、最初からここにいたのかさえわからない。
「そもそも私は誰なのだろう?」
辛うじて分かる事といったら、自分が男というものであり、まだ幼く少年と呼ばれる年頃であるということだけである。
少年は、やることも無くぼーっと上を見つめていた。少年はふと、この世界には空はないのだろうかと思った当然そこには空はなかった。
少年はまたふと、どうやら私は全てを忘れているわけではないのだと思い始めた。
すると、どこからともなくシャラーン シャラーン シャラーン シャラーンと、鈴の音が近づいてくるのが聞こえる。音のするほうを見てみるとそこには愉快に踊りながら向かってくる一人のピエロの姿があった。
最初のコメントを投稿しよう!