遠くもなく、近くもなく

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四郎の部屋に人がいることは珍しくない。 俺みたいに拾われた人間もいれば、行きずりとなった女だったりさまざまだけれど。 あの日部屋にいたのは、四郎がいつも連れ込むような女じゃなくて、俺と同い年くらいの女の子だった。 白い肌を、月の明かりが照らしていた。 月を見上げてる。 四郎はいなかった。 今頃他の女をひっかけて、どこかで飲んだあとにホテルに行くのだろう。 いつものことだ。 可哀想な女。 どうして四郎はこの女に声をかけたりなんかしらのだろうか。
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