1人が本棚に入れています
本棚に追加
俺が四郎に拾われたのは俺がまだ小学生の頃だった。
両親が死んで、親戚にも捨てられた。
公園で寝ていたら、酔っ払った四郎がふらふらと近づいてきて言ったのだ。「そんなとこで寝るくらいなら俺のとこ来いよ」と。
公園で過ごし始めて、3日目の夜だった。
あのときの俺はついていたと思う。
夏とはいえ夜はまだ冷えたし、お金もなかったから水しか口にしていなかった。
四郎がいなかったら俺はとっくに死んでいて、今みたいに学校になど行けていない。
俺みたいに拾われた奴らは多かったけど、数週間もしたらどいつも姿を消した。
帰る家のない俺だけが四郎の下に残った。
最初のコメントを投稿しよう!