たった一つの

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「なぁ紘美…俺さ学校異動になったんだ」 いつも傍にいるわけじゃなかったから、大丈夫だと思っていたのに。 君がまた遠くに行くことがすごく悲しくて…私は年甲斐も無くわんわん泣いてしまった。 君は手に持ったボールを投げずに私の傍にまで持って来てグローブに入れる。 「なぁ紘美、結婚しようよ」 君には彼女がいるんじゃなかったの? 「いつの話してるんだよ」 彼は可笑しそうに笑っている。 私はこんなに泣いているのに
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