主旋律

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彼は世界が変わるのを感じた。 「…“…その日に天は鋭い音とともに過ぎ去り、諸要素は極度に熱して溶解するのです…”―ペテロ第二3:10節―……」 聖句を口ずさみながら、彼は、ふっと微笑う。 「…おや……うれしそうですね……“タケル”様………」 『タケル』と呼ばれた男とも、女ともつかぬような中性的な顔立ちの少年は、白く輝く衣を纏い、自分を呼んだ人物を見た――…。 「…僕の可愛い弟が“帰ってくる”のです……」 「…それは……では『彼』が最後の……?」 「ええ……これでようやく“全員”そろうことになりますね……」 「…これは祝福すべきとき……」 『タケル』と話している相手も端正な顔立ちをしている。 「………やっと……君に会える………」 タケルはそっとその“ガラス片”を指で撫でた――…。 .
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