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普通こういう時、『準備が出来たか』なんて聞かないのだが、(あまりにも危険な技でない限り、戦いなのだから一応)ヒカルに関してはレイナもアイルも、また他の生徒も聞いていた。
「…じゃ、いくわよ!『アクア・スプラッシュ』…!!」
「『…ファ、ファイアー・ウォール』……!」
レイナは技をワンランク下げた。
それはヒカルの能力を鑑みてのことだ。
そのことはヒカルの能力(ちから)が弱いと言っているようなものだが、レイナに悪気はまったくないし、ヒカルも気にしていない。
それにレイナはワンランク下げたといっても、その技を適当に使っているのではなく、誠心誠意を込めてつまり手加減無しでヒカルに放っている。
お金持ちで、お嬢様ゆえの言動もたまにあるが、見下したり、差別的な感じで人を見ないのがレイナの良さだとヒカルは思っている。
それゆえに一般庶民であるヒカルやアイルたちとも付き合えるのだろう。
さて、その勝負のゆくえは――…
「……っくしゅん…!……」
ヒカルのくしゃみの音が勝敗を告げていた……。
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