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コイツ、顔だけはいいから昔ももててたっけ。
私にしたら、こんなヤツ好きになるヤツの気が知れないけどね。
「・・てか、ソイツ誰?」
ふいに視線がこちらに向けられた。
その射抜くような視線に昔の記憶がフラッシュバックする。
大げさなぐらいごくりと唾が喉を流れる。
変わっていない。
あのころのままだ。
昔の私とは違う。そう分かっているのに体が小さく震え始める。
「始めまして。藤堂 花音で
す。」
動揺を隠すようにいつもの作り笑い。
*
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