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午後6時。
本日も仕事も終了。
うーん、と1つ背伸びをし机周りを簡単に整頓。
周りの方々に『お先です』と軽く挨拶し事務所を後にする。
着替えるために更衣室に向かう途中、同僚や先輩方が何やらはしゃいでいる。
横目で見ながら頭を下げ、通りすぎようとした時。
ーーーがしっ。
……がしっ?
音もなく伸びて来た腕により足が止まる。
『どしたの?華。』
『どしたの?華。じゃないよー。明日のダブルデートの打ち合わせ!今日しようって言ってたじゃーん!』
『……あー。そうだったっけ?』
目の前で頬を膨らませる彼女。
私の高校時代からの親友である。
『なになに!?だーれとー!?まさかっ!皆憧れの日向さんとか!?』
デートとの言葉に外野が色めきだつ。
質問責めされ、解放されたころ外は暗くなってた。
『まったく…忘れてたとか有り得ないんですけどー…』
眉間にシワを寄せブツブツ文句を言いジトっと効果音つきでこちらを見つめてくる。
『ごめんてば。そんな顔してちゃせっかくのカワイイ顔が台なしだよ?』
くす、と笑いながら額をつついてやると、誰のせいよ!と尚更シワを濃くさせる。
降参とばかりに手をあげれば溜め息とデコピンがお見舞いされた。
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