第二章

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「ほら、もっとキリキリ歩きなさいよ」 「はぁ…はぁ…てめぇ…」 俺に全ての荷物を持たせてきりねは不満そうにした。 教科書だけでも重たいのに…女っつーのは理解できねぇ。 化粧品やらなんやらを鞄の中に詰め込んで。 しかも自分で持つことをしないという、ね。 執事だから仕方ないけどってか本当に職権濫用というかなんというか… (あれ、職権濫用って公務員の事を言うんだっけ…?) 都合のいい時だけ主従関係を持って来やがって…勘弁してくれ。 溜め息を吐きながら歩く俺を心配したのか、きりねが顔を覗き込んできた。 「…なんだよ」 ドキッとした気持ちを表に出さないようにしてる俺…女か。 「別に、変な顔だなって思っただけよ。それより早く歩かないと遅れるわよ?」 きびすを返して歩き出したアイツに俺はムスッとして 「お前に言われたくねー」 と呟いた。
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