三章‐入学‐罰則

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 蓬莱第三区画民間施設『上之宮魔導兵器部隊候補生訓練校』この場所に石動 秋成はやってきていた。  ここはその名が示すとおり、帝国軍の中でも特に重要度が高く、期待視されている魔導兵器を扱う物達の為の訓練校である。  民間の手にゆだねられている理由は、現在帝国で唯一魔導鎧を製造できるという強みを最大限に生かし、上之宮重工が独自に訓練施設として開いた為である。  秋成もまた、帝国式の魔導鎧である『神威』の適正試験に見事合格し、この場所にやって来ていた。  この場所で半年間の訓練を行い、『神威』の操縦者として戦場に立つ事になる。  初日である今日は、他の候補者と共に集められ、教官の訓示を受けていた。はじめて立つ新天地である訓練校は驚きの連続だった。  まず、人が少ない。『神威』の操縦者になるには特別な素質が必要だと言う事は知識として知っていたが、ここに居る自分の同期の少なさに身を持ってそれを実感する。 (ここからさらに訓練で減るのか……魔導鎧乗りがエリートって言うのは本当なんだな)  ここに並んでいる候補生はどんなに多く見積もっても、総勢で数十名……どんなに多く見積もっても七十人も居ないだろう。  訓練のだろうが、それにしても少なすぎである。  また、候補生の中には教官も含み女性が多い所も彼を驚かせた。  その女性の中には、現在壇上で候補者たちに演説を行っている女性の姿もある。
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