二章‐戦争‐世界

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二章‐戦争‐世界

 帝国歴千三百年、大陸の三分の一を手中に収め栄華の限りを極めた帝国に事件が起きた。  戦争状態だった連合の奇襲攻撃を受け、それに大敗を喫した所から全てが始まった。  大陸の端、海岸線沿いから奇襲攻撃を行い、それに大勝した連合はそのまま進軍を続け、九十度線をなぞる様に北上、遂には帝国の大陸国土を二分化するに至る(これ以降九十度線以降より西の地は西方、東の地は東方と呼ばれる事となる)。  これにより兵力、補給路、情報網の全てを分断された西方は全て降伏。  西方大陸という足がかりを得た連合はそのまま東部へと進軍を開始、最終的に帝国の国土の七割を奪い取った。  これにより帝国の情勢は一気に悪化、来るべき反逆の時まで、冬の時代に突入する事を余儀なくされた。  この悪夢のような大敗には理由がある。  一つ目は大陸のほぼ真ん中を両断すると言う一見危うい奇襲攻撃だったが。急速に国土を拡大し、また、西方北方に敵を抱えていた帝国にとって、大陸中央は手薄なラインであったと言う事。  そしてもう一つは、電気、石油、石炭、原子力、この世に存在するあらゆるエネルギー源とも違う新たなるエネルギー、魔力。  他ならぬ人間と言う存在そのものから生み出されるこの力と、それを転用する事で連合が持ち出した新兵器。  陸戦、及び空戦の常識を覆す人型をした戦車にして戦闘機、魔導鎧の存在があった。
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